家づくりでは「より深みのある仕上がりを実現したい」と思う場面は多い。規格クロスでは細部までバランスをとるのが難しく、従来の選択肢だけでは提案に限界を感じることもあるだろう。そんな時に新たな可能性を広げてくれるのが、MiriKulo:rer(ミリクローレル)の壁紙製品だ。
このブランドは、北欧のスウェーデンと日本の繊細な感性が調和して生まれた。ペンや墨のタッチを生かしたやさしい線が特徴で、日常に静かな色彩を添える。名前の由来は「たくさんの彩り」を意味するスウェーデン語のMiri(ミリ)とKulorer (クローレル)から。フリーデザイナーの木内千彩子(きうち ちさこ)氏と協働し、心にすっと届く表現を丁寧に形にしている。

今回紹介する新作は、インクジェット壁紙の「FRESH(フレッシュ)」シリーズの3パターン。細かな階調まで再現する印刷で、軽やかな陰影やかすれを感じる絵柄が用意されている。総柄で壁一面を包み込む使い方もあれば、一部の面だけに貼ってリズムを生む方法もあり、動物のモチーフを選べば、子ども部屋や小さなワークスペースにも親しみやすい温もりや遊びごころが加わるだろう。
そして本製品は、規格サイズでは収まらない空間、一般的な製品では合わない色味、案件ごとに世界観を合わせたい時にも力を発揮するのが強みだ。特注寸法での出力はもちろん、オリジナルデザインの制作も可能で、規格品では実現できない完成度を叶える。また、北欧風の家具やナチュラルな素材と相性がよく、既存の内装に一点だけ足すと印象が整う。リフォームから小規模店舗の改修まで幅広いシーンで採用しやすく、図面段階からの色合わせ相談にも適応しやすい。
現場では、大掛かりな工事を伴わずに雰囲気を刷新できる素材が求められている。その点でMiriKulo:rerの壁紙は、多様な表現の幅にも柔軟に応えつつ、インテリアの質を高める手段となるだろう。しっとりと心にしみ込むようなデザインで彩られる暮らしの場は、住まい手に心を落ち着ける時間を届けるだけでなく、住宅事業者にとっては付加価値の高いプランニングを形にするための有効なアイテムになるはずだ。