キッチンを中心とした住空間向けのものづくりを続けて60年。ワンド株式会社は暮らしの中で“当たり前に使える”ものを届けることを信条に、住まい手の声とともに歩みを重ねてきた企業だ。時代やニーズの変化に合わせ、定番設備品 から特注品まで幅広く手がけてきた同社は、確かな品質と柔軟な対応力で多くの施工シーンを支えてきた。
今回は、そのワンドが自社ブランドとして展開するレンジフードボックスを紹介したい。シロッコファン式のレンジフードに比べて、低コストで排気性能を確保でき、紐引き換気扇と組み合わせて使用されることが多いこのアイテムは、賃貸住宅やテナントの改修では欠かせない存在である。大手メーカーの撤退により供給が減るなか、現場の要望に応えて開発された。

デザインは従来のブーツ型から、直線的で端正な真四角形を採用。シャープなラインがキッチン空間をより引き締める。仕上げは粉体塗装を施したカラー鋼板で、色は白と黒の二種類を取り揃える。清潔感を保ちながらも存在感のある見た目に仕上がり、リノベーションはもちろん、新築案件にも自然に溶け込むだろう。
さらに、このプロダクトの特長は運搬や設置のしやすさにある。分割された状態で運べるため、狭い廊下や階段でも扱いやすく、作業者の負担を軽減する点で評価が高い。本製品は住宅から非住宅の給湯室など、多様な施工現場で導入されており、積み重ねた納入実績が信頼を裏付けている。
現在、国内でフードボックスを手がけるメーカーは減少傾向だが、安価に換気を維持できる方法として、その需要は確実に残り続けるだろう。ワンドは市場の動きを見据え、他社よりも価格を抑えた販売体制を整えている。換気性能をより経済的に提供できるフードボックスは、コストバランスに優れた選択肢として、今後もリフォーム市場において長く活躍し続けるに違いない。